2018年8月、国民的な人気マンガ『ちびまる子ちゃん』の原作者で漫画家のさくらももこさんが亡くなりました。53歳という若さでした。
私は、さくらももこさんの訃報を知って、とても悲しくなりました。
さらに悲しかったのは、さくらももこさんが心の拠り所にしていたスピリチュアルに対する世間のパッシングでした。
日本人の多くは、スピリチュアルや民間療法を“嘘っぱち”と決めつけているみたいです。
でも、私はそういう決めつけがどうしても許せません。今回は、私の思うところを書いていきますね。
おもしろさを支えるスピリチュアルな感性
私がさくらももこさんのマンガと出会ったのは、小学3年のときでした。
体が弱くて病院通いの多かった私は、診察の待ち時間でロビーにある本を読んでいました。その中に『ちびまる子ちゃん』があったんですよ。
テレビアニメは見ていた私ですが、マンガの『ちびまる子ちゃん』を読むのは初めて。1話目を読み始めたら、これがおもしろいのなんのって!
その後、私はさくらももこさんの他のマンガやエッセイも読むようになりました。
ブラックな雰囲気の漂う『永沢君』、癒しのメルヘン『コジコジ』、大爆笑の『もものかんづめ』三部作……。
中でも、シュールすぎて何が何だかわからないけれど、なぜか心惹かれる『神のちから』が印象的でした。
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「どうしてこんな不思議な世界観を描けるんだろう?」というのが、私にとってずっと謎でした。
でも、さくらももくさんがスピリチュアルにハマっていたという記事を見て、私は「なるほど!」と納得しました。
さくらももこさんのマンガやエッセイは、鋭い人間観察とスピリチュアルな感性に支えられていたからおもしろいんですね。
さくらももこさんが自ら選んだ民間療法
さくらももこさんとスピリチュアルの関係について報じたのは「週刊女性PRIME」でした。
「さくらももこさん、仕事のために “民間療法” で向き合った乳がんとの闘い」という記事では、乳がんが再発したさくらももこさんが民間療法に頼っていたという番組関係者の声を紹介しています。さらには、前年に乳がんで亡くなった小林麻央さんも引き合いに出して、批判的なまとめ方をしているんですよ。
現代医学の観点からすれば、民間療法は乳がん治療にならないのでしょう。そして、民間療法がさくらももこさんの死期を早めた可能性も否定しきれません。
一方、記事中では、さくらももこさんは抗がん剤の副作用に苦しんだ経験があり、仕事に支障がないようにと民間療法を選んだと番組関係者が言っています。
そうであれば、さくらももこさんが自ら選んだ道を否定するって、どうなの?
外科手術や薬物療法、放射線治療は、民間療法よりもがんに効果的なのはその通り。でも、現代医学の治療法は、お金がかかるし、時間も取られるし、副作用で苦しい思いもしなければなりません。
その上、いろんなものを犠牲にして現代医学の治療法を受け続けても、延命治療にしかならないことも……。
そんな治療法を嫌がるがん患者が「民間療法で心の安定を得たい」と考えたって、決してまちがいじゃないはず。
以前、私の友人の医師は「アルコール中毒になった僕を救ってくれたのはキリスト教だった」と話していました。現役医師の友人でさえ、現代医学の力ではアル中を克服できず、最後に頼ったのは宗教だったんです。宗教だってスピリチュアル!
さくらももこさんがどういう事情や心境で民間療法に頼っていたのか、本当のところは本人しかわかりません。
だからこそ、故人が信じたものを外野が勝手にあれこれ妄想して批判するのは、とても失礼!これじゃあ、さくらももこさんも成仏できない!
私は、生前のさくらももこさんが大切にしていたものを貶めてはいけないと思っています。
さくらももこさんは隠れスピリチュアル女子の鑑
さくらももこさんは、自らの乳がんと民間療法の効果について、公の場では明らかにしませんでした。
自分の影響力を考えて、同じ乳がん患者を惑わせないために、あえて民間療法の話題には触れなかったんでしょうね。
自分が「良い」と思う物事を周囲に広めたいって気持ちは万人共通。でも、さくらももこさんは、自分をグッと抑える“強さ”を持っていたんですよ。
スピリチュアルが好きだからこそ、自分の立場と周囲への配慮を忘れない――そんなさくらももこさんは私たち隠れスピリチュアル女子の鑑です!
私も、さくらももこさんのように、自分をきちんと律することのできるスピリチュアル女子を目指したいと思います。
さくらももこさんのご冥福をお祈りいたします。