弁才天は七福神の中で唯一の女性です。同じ女性として応援したくなっちゃいます。
弁才天はいろ~んな顔を持っているんですよ。名前だって、「弁才天」と「弁財天」の2種類あるし……。
今回は、弁才天の謎に迫ります。
ヒンドゥー教の女神が仏教に取り込まれた
弁才天は、ヒンドゥー教の女神サラスヴァティーが仏教に取り込まれて、他の神様の性格などを受け継ぎながら現在の姿になりました。
サラスヴァティーは創造神ブラフマーの妻で、もともとは水の女神でした。後に芸術や学問などを司るようになって、その性格が弁才天にも受け継がれています。だから、弁才天は琵琶を弾いているんですね。
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弁才天がもたらすのは、芸能や知に関する福です。現在でも、芸能人は熱心に弁才天を信仰しているっていいます。
弁才天の「才」が「財」に変わると「弁財天」。こちらは、福が財産やお金になっています。
神奈川県鎌倉市佐助にある銭洗弁財天宇賀福神社は有名です。巳の日に境内の清水で硬貨を洗うと何倍にも増えるとか……。
近所に銭洗弁天があったら、毎日でも
弁才天は観音や吉祥天、荼枳尼天も取り込んだ
弁才天を祭った神社は日本全国にあります。なので、「日本●大弁天」なんて言葉も……。
日本三大弁天ならば、竹生島・江の島・厳島。これに金華山と富士山を加えて日本五大弁天。
最も歴史が古いのは、琵琶湖にある竹生島(ちくぶじま)の弁才天です。
とはいえ、竹生島にはもともと弁才天がいたわけじゃありません。平安時代には、神仙の島とされたり、浅井姫命が逃れてきた島とされたりしていました。その後、何かのきっかけで、弁才天が祭られるようになりました。
竹生島の弁才天は水神信仰と結びつきます。弁才天のもとであるサラスヴァティーは水の女神ですから、相性が良かったんじゃないかしら?
さらには、観音(かんのん)や吉祥天(きっしょうてん)、荼枳尼天(だきにてん)なども取り込んでいって……。いつの間にか人気者になっちゃいました!
荼枳尼天といえばお稲荷(いなり)様ですね。
白い狐に乗った天女の姿をした荼枳尼天は、性愛を司る神ともいわれます。そのため、荼枳尼天を祭ることは、呪術的な色合いの強い外法(げほう)とされてきました。
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『源平盛衰記(げんぺいじょうすいき)』には、狩りの途中で荼枳尼天(貴狐天王(きこてんのう))と出会った平清盛が「貴狐天王は弁才天の別名だ」と述べたとあります。
『源平盛衰記』が成立した鎌倉時代には、弁才天は荼枳尼天の化身であると考えられていたみたいです。
弁才天は荼枳尼天の力も受け継いだため、性愛関係にもご利益があるってことです。
芸能や財産、さらには性愛……弁才天は、この世のあらゆる幸福を司る神様じゃないですか!
現世利益をもたらす弁才天が巷で大ブレイク
弁才天は現世利益をたくさんもたらすので、民衆の間で大ブレイク!
最終的には七福神の仲間入りまで果たしちゃうってわけ。
“知的な美人”のイメージがある弁才天ですが、実はHなことにも詳しくて……。
そう思うと、弁才天はお堅いセレブな神様って感じじゃなくて、親しみやすい女神様のイメージにぴったりだと思いませんか?