「微笑みの国」としても有名なタイは日本人に人気の観光国です。
世界遺産のアユタヤ遺跡をはじめとして、豪華な王宮や寺院がたくさんあります。夕焼けを楽しめる美しいビーチや、活気あふれる水上マーケットなどにも行ってみたいですね。そして、タイ料理も美味しそう……
コロナ禍が終息したらタイ旅行に行きたい!
そんな魅力あふれるタイは仏教国。国民の95%が仏教徒だといわれ、国王も仏教徒でないといけないんだとか……。約3万もある寺院は信仰の場であると同時に、人々の生活を支えるコミュニティーでもあるんですよ。
タイ人にとって生活と仏教は切り離せません。お守りも人々の生活の必需品です。
さまざまなお守りが手に入る「お守り市場」
首都バンコクには「お守り市場」があるほど、タイ人はお守りが大好きです。
お守りには、小指サイズや親指サイズ、手のひらサイズなど、さまざまなサイズがあり、形も円形や三角形、長方形、楕円形とさまざまです。素材もプラスチックやセラミック、卑金属、銀、金、翡翠などがあって、中にはとっても貴重なものも……。
ただ、どのお守りにも1つの共通点があるんですよ。仏陀や僧侶が描かれているってことです。これによって、お守りが精神的・霊的の特性を有すると信じられています。
市場を訪れた客は、屋台の周りに立って腰をかがめ、一つ一つのお守りをじっくり品定めします。時にお守りを手に取り、ルーペを使って入念に観察するほどです。
少し前の世論調査によると、タイ人の約70%が仏教のお守りを身につけているそうです。タイのお守り市場は世界最大で、年間売上高は400億バーツ(約1,400億万円)にもなるほどの盛況ぶり!
一方で、非常に高価なお守りのレプリカも急増していて、その精巧な作りに騙された人々が詐欺被害に遭っているともいわれます。
中でも詐欺のターゲットにされるのは、骨董品好きな中国人観光客なんですって。「貴重な骨董品」という言葉を信じて安物を高値で買っていくので、ネギかもなんでしょうね。
タクシー運転手はお守りによって守られている
バンコクで活動するタクシー運転手のソーピー・シルパキットさん(65)は、仕事のときに必ずお守りに祈っているんだそうです。
「私は毎日これらのお守りに『ウイルスが私の近くに来ないようにしてください』祈っています。これらが私をウイルスから守り、健康に保つのに役立っていると本当に信じています」
そう話すソーピーさんは、タクシー内に100を超える神聖なものを飾っています。神聖なものに囲まれているタクシー内にはウイルスがないことを、ソーピーさんは「確信している」んですって。
同じくタクシー運転手のワサン・サクジットさん(43)が持っている神聖なコレクションの中には、約10,000~20,000バーツ(約35,000~70,000円)もする高価なものも含まれているんですよ。
たとえば、タクシーの天井には仏教の僧侶が描かれた大きな布の巻物があり、まるでワサンさんを見守っているようです。
――お守りに守られたタクシーは、事故に遭っても、運転手が軽症だった。
このような言い伝えをワサンさんは信じています。タイの危険な道路で長年運転してきたからこそ、お守りなどへの思いも強くなったんですね。
神聖なコレクションは、自分の安全だけでなく、乗客の安心にもつながるといいます。だから、ワサンさんのタクシーは繁盛しているんですよ。
もちろん、ワサンさんは、お守りだけに頼っているわけではありません。マスク着用やアルコール消毒も徹底しているので、そういう意味でも安心です!
砂糖菓子のお守りを食べると体内から守られる
サムットソンクラーム県にあるキャンディーショップ「マダム・チュープ」は、食べられるお守りを販売しています。砂糖菓子のお守りを食べた人は体内から守られるそうです。お酒が大好きな人や運動が趣味の人にはありがたいお守りですね。
食べられるお守りのお値段は、20個入りの1箱がたった100バーツ(約350円)!
とても人気のある商品で、一人に付き注文は5箱まで。お届けまでに2週間かかるんですって。
一方で、マダム・チュープへの批判もあります。食べられるお守りは仏教徒に対する侮辱で、伝統的なお守りや僧侶への信仰を失う原因になりかねないというんですよ。
こうした批判に対して、有名な僧侶のパイヴァン・ワラウノ氏はマダム・チュープのアイデアを大絶賛。伝統的なお守りこそ、黒魔術とつながっていて、人々をたぶらかしていると反論しています。
いろんなお守りがあって面白すぎ!
タイを旅行する際は、お守りをお土産にしたいですね。